鴻上尚史の本を2冊読了しました。
『「空気」と「世間」』は予約を入れて待って届いたもので、『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』は在庫があって即届いたものです。
『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』は普通に面白かったです。やっぱり日本では当たり前だと思っていることも、外国の人から見るととっても変だったりするんですよね。別に外つ国に迎合する必要はないですが、今の世の中、世界からどう見られているか知っておくことは重要ですね。
一番面白かったのはクールジャパンのランキング13位の「大阪人の気質」でした。大阪で、外国人が通りすがりの人に印籠を見せて「コノインロウガメニハイラヌカ」とやると、9割近い人が「ははぁ~」と言いながらひれ伏す真似をしたというのは驚愕でした。東京では誰一人まともに反応しなかったそうです。そう考えると、確かに大阪人のノリは、一般日本人とは大違い。不思議です。
『「空気」と「世間」』の簡単なサマリは以下(間違ってるかもなので気になる方は本をご参照ください)。
- 世間のルール
- 贈与・互酬の関係
- 長幼の序
- 共通の時間意識
- 差別的で排他的
- 神秘性
- 西洋にも昔は「世間」はあったが、キリスト教が民間信仰や呪術的なしきたりを禁じたことによりなくなった。現在あるのは、神と言う絶対的なものに対する個人である。
- 「世間」が「流動化」したものが「空気」
- 「空気」とは「世間」のルールがいくつか欠けたもの
- 「共通の時間意識」が揺らいでいる
- 「世間」は中途半端に壊れており、更に激しく壊れている
- 村落共同体社会は、地域共同体社会に移行し、会社にも取り込まれた。だがそれも壊れつつある。
- 「共通の時間意識」と「贈与・互酬の関係」が「終身雇用」に、「長幼の序」が「年功序列」になった。
- 安定した「世間」が欲しいが手に入らない。だからせめて「空気」に自分を支えてほしいと思う。「空気」で手に入るのは「共同体の匂い」である。
- 「世間」から逃げるには、複数の共同体にゆるやかに所属すること