おひとり様のちょっとしたこと

アラフィフ独女のよしなしごとです

読了:福島第一原発事故の「真実」

福島第一原発事故の「真実」』を読了しました。面白かった、というのは不謹慎かもしれませんが、大変興味深かったです。

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下記の写真の通り、すっごく分厚いのですが(5cm以上)一気に読みました。

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2011年のあの日のことを忘れることはないでしょう。でももう13年も経ってしまった。この本は2021年の発刊です。振り返りまとめるのにもそれだけの時間がかかっている。そしてまだ検証は終わっていない。

 

前半のドキュメント部分では、本当に吉田所長を始め、現場の方々が死ぬ覚悟で全力を尽くしていたことに胸を撃たれました。そして、ベストと思う選択を続けたところで、何一つコントロールできていなかった。あのレベルで終わったのは本当に奇跡のようです。

 

一方、大分批判されていましたが、菅直人元首相が現場に乗り込んだ気持ちもなんとなくわからなくもないなと思いました。

 

検証パートも興味深かったです。特にIBMワトソンを使ってテレビ会議から文字起こししたテキストを分析するところが気になりました。結局のところ辞書作りとかタグ付けは手動でやる必要があったわけですが、今ならもう少しスピーディにできるのかな?LLMはそれっぽいこと言うだけで、意味を理解しているわけでもないからなぁ。

 

なぜ東電は最新の津波予測に基づき、事前に手を打つことができなかったのか。一方、日本原電は独自の対策をしておりそれは効果的であったものの、基本的には東電と横並びで施策を進めるべきと言う風潮に慮ってそのことをなるべく目立たないように工夫していたと言う日本的な出来事などにもびっくりしました。その後東北電力貞観地震に関する対応についても、東電が、あれこれ横槍を入れていることとか。真摯に現実に立ち向かおうとしている人がいても、どこかで邪魔されてしまう体質が、確実に日本にはある気がします。

 

最近また地震が増えているし、またいつ同じようなことが起こるかわかりません。日本が次の危機を乗り越えられる気がしないのです。