おひとり様のちょっとしたこと

アラフィフ独女のよしなしごとです

【過去旅行記:土05】1997トルコ旅行

1997年のトルコ旅行の手書き日記をここに載せてノートを捨てようプロジェクトです。

1997年9月26日(金)

 3:00AM起床。3:05おじちゃんからモーニングコール。頼んでもないのに(笑)。3:20下におりる。おじちゃんの他2人もいる。”Ploblem yok”としきりに言う。"OK テシェキュエデリム"とこちらも繰り返す。言葉が通じないからお互いニコニコしてOKと言うだけ。でも親切なのはわかるから。ついでにおじちゃんと写真をとる。

 タクシーは3:27にやってくる。トルコなのに3分前とは。一路空港へ。

 24時間空港だけあって、店も全部あいている。どうも夜中の3時のフライトなどもあるようだ。空港使用料はいらないようなので、残った金で本物のアップルティーを買う。残金20円、というか、20,000TL. BILINÇにチップをおいてこなかったことに気づいた。

 オランダに到着。入国する。鉄道で中央駅まで行く。街並みがやはりトルコとは違う。こうして見るとトルコはやっぱヨーロッパとは少し違うかも。何というか整然としている。20分程で中央駅につく。ちょっと付近をうろつき、St.ニコラス教会などを見ようとするがしまっている。TAXIをひろい、ゴッホ美術館へ。英語のAudio Guideをかりて回る。すぐに時間が経ってしまう。ついでに3人で1万円両替したのも足りなくなりそうなのでお昼もぬく。トルコより余程おいしそうな街だっただけに少し残念。食事はアムスまでの機内で軽食を食べたきり。軽食はオムレツとポテトコロッケで、デザートのヨーグルトは激ウマだった。しまった、トルコでもっとヨーグルトを食べるんだった、と少し悔やむ。とにかく金も尽きたし、スキポールで買物もしたいし、ということでもどる。我々の残金は11G. 約660円。これではコーヒー1杯すら飲めないことが判明し、それぞれ別れて買い物する。行きに見たため、あまり見るべきところはない。お酒だけ買う。

f:id:cym73:20230707221852j:image

 出発は遅れた。どうもダブルブッキングがあったらしく、同じくKLMで関空にとび、そこから全日空で成田に行ってもいいという人をつのっている。迷惑料として900ギルダーのバウチャーもしくは625ギルダーの現金がもらえるとのこと。学生なら飛びついたかもね、と話し合う。

 そして現在15:43(蘭)。ようやく飛行機が動き出したところ。旅行もこれで終わり。

 まるで夢を見ていたかのような気分。現実とはかけ離れたところで起こった出来事みたい。また現実に復帰するのだということが信じられない。ついこの間まであったはずの、これから私がもどるべき日常とは一体何なのか、混乱してくる。今回の旅行体験と、普段の私とが、どんな小さな点でもconnect不能な気がする。

 ずっと何かから逃げ続けている気がする。スケジュールがいっぱいで、考える余地もなかったし。色々考えなきゃいけない気もするけれど、もういきなりこのまま"現実"に飛び込む方がいいのかもしれない。

 離陸後20分程眠る。

 以降旅を振り返りつつ、考えたことなどを。

 トルコ。ヨーロッパとは言え、やはり私が今まで旅した中では特殊な感じがする。何が、だろうか。イスラム教の影響というのはそれほど強くは感じなかった。もっと、アラブ、というか、アジアのせいなのかもしれない。やはり、ヨーロッパよりはより密なコミュニケーションが存在している。イスタンブールいたるところ薄暗い商店の奥では何をするでもなく男たちが茶をすすっている。血族・知合・友達、そして通りすがりの人間にまで、親切の対象は広がる。だから、今までのどの旅よりも人間的接触が多く、私は充実感を味わえた。けれども今回見たのはトルコの一面でしかない。最もツーリスティックな側面。一大観光地で英独語は当たり前に通じて、ドルだって円だって買い物できちゃう、という一方で、一本裏道に入ればトルコ語以外全く通じないし、ロシア人やなんかがあふれている。国境地帯では争いが続いているはずだし、今回はモスクと宮殿を見たとは言え、イスタンブールの歴史そのものに触れた感じもあまりない。何か忘れてきたような・・・それが何だかよくわからないのだけれど。

 食べ物。期待が大きかっただけにイマイチ。決してまずくはなかったけど、バリエーションにとぼしい気がする。魚貝といってもサバやアジじゃあね。エビやイカが好きなのだ私は。

 どうも座席のロケーションの関係上灯がつかないので、寝るしかないのだろうか。クリントイーストウッドは見たくないし。本読んでもきっと目が悪くなる。あとは音楽か。John Williamsの"Kiss from a rose"はso good. インストゥルメンタル。ちょっとcheck。

 あと2時間で成田着。「アンナ・カレーニナ」をばっちり見てしまい、ほとんど眠っていない。総体的に概ね順調かつ楽しい旅行だった。ただ回数を重ねたことでの慣れが出て不備が目立った。体調も悪かったし。そういえばカッパドキアで薬も買った。トルコの薬は恐そうなどと思っていたのだが、背に腹はかえられず、薬局に飛び込んだのだ。熱もあるし、のども痛い。せきも。あと頭も少し。などと言ったら「お医者に見せるべきよ」と言われた。そんなことわかってるよと思いつつ、とにかく売ってもらう。1日1タブレットの3タブレット入1ハコ3620,000TL. 高い!でもファイザー製薬だったので、ちょっと安心したりして。出発前からあったリンパ腺のはれも多少おちついてきたし、帰国後のぶり返しがないとよいのだけれど。

f:id:cym73:20230707222315j:image

 こんなに日記を書く時間をみつけるのに苦労するほど慌ただしい旅は初めてだった。ぼーっとできる時間が足りず、反動が後半出たのだと思う。

 カッパドキアでの記述は地名等あいまいで、一体何をしたのかという感じだが、2日目などはこの旅行中一番の雲一つない晴天で、どこまでも続く広大な自然を見て、風に吹かれているだけで最高の気分だった。気持ちよすぎて、何かを「考える」ことに頭をつかう気になれないほど。息抜きだか骨休めだか知らないが、休暇は終わった。非日常から帰還すべき時が刻一刻と近づいている。多分、いつだって、大切なもの、残るべきものは、特に何もしなくてもきちんと蓄積されていくはずだ。ここのところどうも”人生”に迷っていた(ホントに!)ものだから、つい旅行中に何か開眼しないかなという欲を持ってしまったけれど、意識的にどうこうできるものでもないし。ただきっと覚えておいた方がよいのは「別の場所」なんて、その気になればいつだって行けるということ。世界中のどこにだって。